大規模修繕を行う際には事前に建物・設備の劣化状況を綿密に調査・診断しておくことが大切。
調査結果によって修繕計画が大きく左右されます。

調査・診断の目的

本当に大規模修繕が必要な時期が到来しているのか、必要とすると工事の範囲と修繕仕様はどのようにして決めればよいのか、さらに工事費用はどのくらい必要になるのか—。
修繕工事をはじめる前には、みなさまのマンションの劣化状況をしっかり把握しておくことが大切です。 事前の調査・診断を行うことで修繕を行う範囲を知ることができるとともに、劣化の程度によって修繕の方法を選定することができます。
劣化の進行の度合いを予測することで修繕のタイミングを設定することも可能です。さらに実際に修繕工事に着手する際には、修繕設計・工事仕様を明確化することができ、施工会社の見積の比較検討も容易です。

いくらかかる?
調査・診断費用

診断費用は建物の規模や診断の程度・方法によって異なります。通常は診断のための下見調査を行い、診断計画と見積書を提出してもらいます。場合によっては修繕工事の担当を希望する施工会社が診断を無料で行うと提案してくることがありますが、詳細な診断を行うためにはそれなりの経費がかかることを認識する必要があります。

ひび割れ調査

コンクリートの中性化深さ測定

動力制御盤の赤外線熱画像撮影装置による診断と、熱画像写真

レーダーによる鉄筋探査

タイル打診調査

熱映像写真による外壁タイルの浮き調査

排水管の劣化状況をファイバースコープで診査

調査・診断の手順

  1. 調査スタート
  2. 予備調査を実施

    建物の概要、修繕履歴などの情報収集をする
    設計図書、過去の管理記録などを確認する
    現地の下見をする

  3. 調査内容を選定

    予備調査の結果をまとめ、第1次、2次、3次調査の項目を選定する

  4. 調査計画を作成

    管理組合の要望・目的を考慮しながら調査の箇所、方法、日程などの計画を立案する

  5. 第1次調査

    目視調査を主体とした現状調査を行う(故障箇所の図面記入、写真記録、居住者へのアンケート調査など)

  1. 第2次調査

    計測調査、非破壊調査などの精密調査を主体とした調査を行う

  2. 第3次調査

    サンプリング調査、材質試験などの破壊調査を行う

  3. 判 定

    調査結果に基づいて総合評価を行う

  4. 報告書を作成

    現在の劣化状況、劣化の原因および対策、修繕時期などを提案する