目的と効果
マンションの電気使用量の3割は、共用照明が占めると言われています。このため、電気代削減には共用照明の電気量削減が必要です。マンションの共用照明には、効率が高く安価な蛍光灯が使われてきましたが、より長寿命で省エネができるLED照明が標準になっています。LED照明は4万時間と長寿命で高効率です。
現在、マンションのエントランスや開放廊下等の共用照明には、LED化要望があります。マンション共用照明のLED化では、明るさや省エネ性能だけでなく、ランプ交換等の保守メンテナンス性も考慮してマンションに合うLED器具を選ぶ必要があります。
マンションにLED照明器具を導入し、省エネ(電気代の削減)、省資源(長寿命によるランプ交換の削減)を進めていくことが望まれます。
工法・仕様
LED照明の特徴として、以下のことが挙げられます。
省電力
発光効率は蛍光灯とほぼ同じですが、光に方向性があり無駄な光が少なく効率的な照明器具になります。照明器具により異なりますが、白熱電球に比べ8割、電球形蛍光ランプと比べ3割程度、省電力になると言われています。
長寿命
ランプ寿命は40,000時間で、蛍光灯(6,000時間)の約7倍、白熱ランプ(1,000時間)の約40倍の超寿命です。開放廊下照明等では約9年の寿命となり、ランプ交換頻度を減らすことができます。
低誘虫性
LEDは虫がよりつきやすい紫外線をほとんど放射しないので、開放廊下照明などに適した光源です。
点灯即応性
真冬、低温でもすぐに点灯し、屋外の照明でも薄暗くなることがありません。
ポイント
LED照明器具の選択
LED器具には、LEDランプ・照明器具一体型器具と、LEDランプ交換可能型器具があります。
開放廊下灯等のマンションの共用照明の点灯時間は、平均1日12時間、年間では4380時間です。LEDランプの寿命は4万時間ですから、9年に1回の器具交換またはランプ交換が必要になります。
マンションでは9年ごとに照明器具の交換はしないと思います。このため、マンションではランプが交換できるLED照明器具がよいと考えます。
LED照明明改修部位
マンションの照明器具は多種多様です。LED化により大きな省エネ効果を感じるためには、同一機種で設置台数が多い照明器具や、消費電力が大きい照明器具からLED化を進めていくことが必要と考えます。
外灯照明
外灯照明は電気容量が大きく夜間点灯するため、LED化は省エネに有効と考えます。従来はランプ交換ができる大光量LEDランプがほとんどありませんでしたが、現在では、東芝ライテックや三菱オスラム等から、水銀灯ソケットに対応したランプ交換可能なLEDランプが製品化されています。ただし、これらの交換可能なLEDランプは、それぞれのメーカー独自規格のため、他メーカーとの互換性がありません。今後、メーカー間で互換性のあるLEDランプが開発されることが望まれます。