目的と効果

築30年を超えてくるとサッシは経年劣化による機能低下が目立ってきます。サッシの開け閉めがし難くなったり、サッシの廻りが暑い・寒いなどの断熱性の低さ、周辺環境の変化に伴う騒音などの問題も発生します。サッシ改修は建具性能の改善だけでなく、住まいの環境を快適にする効果も期待できます。

工法・仕様

これまでお使いのサッシをそのまま残して、新しいサッシを被せる『カバー工法』で工事を行います。
既存サッシを撤去しないので廻りの仕上げを壊さず、工事による騒音や粉じんを最小限に抑えます。
このため短時間で工事が終わり、転居を伴わない居ながら改修が可能となります。

ポイント

■単板ガラスから複層ガラスすることで断熱性能が高まります。

サッシ改修によって新しい窓枠となるので、これまでお使いのサッシに入っていた断熱性の低い単板ガラスから、断熱性の高い複層ガラスにグレードアップすることができます。
複層ガラスとは外部側と室内側の複数ガラスで構成され、中間にある空気層によって高い断熱性を保つガラスです。
複層ガラスには更に断熱性を高めたLow-E複層ガラスもあります。これは空気層側に熱を伝えにくい特殊金属膜を持ち、室内側の暖冷房熱を外部に逃がしにくくした高断熱のガラスです。

複層ガラス
Low-E 複層ガラス

■全戸全窓を実測して最適な納まりを検討します。

カバー工法はこれまでお使いのサッシの上に新しいサッシを被せるため、どうしても窓開口が若干狭くなってしまいます。この狭まり寸法が最小になるように、全てのサッシを実測して最適な納まりを検討します。特に足元の立ち上がりはベランダへの出入りに支障が出ないように配慮します。

劣化写真

サッシは経年よってクレセントの動きが悪い、戸車の動きが悪い、ガラス押えビードが外れる、気密ゴムのタッチが緩くなるなどの部品劣化が進んでいきます。経年が進むと、更にサッシレールが曲がったり障子が正常に締まらなくなるなどして、操作性・断熱性・遮音性など、あらゆる面で使い勝手が悪くなってしまいます。国土交通省の改修ガイドラインでは、築36年を窓改修の実施の目安としています。

ガラスビードの劣化
サッシ下枠レールの曲がり
クレセントの劣化

作業工程

①室内養生
②既存障子・部品を撤去
③補強材取付け
④新しい窓枠の取付け
⑤新しい窓の取付け
⑥建具調整をして完成

窓改修工事は、1窓あたりの作業時間は約1時間程度で、1部屋あたりの作業時間は約半日程度となります。この作業時間中は、居住者の在宅が必要です。
また、窓の前に家具などがあると作業ができないため、工事開始までに幅1メートル程度のスペースをあけておくようにします。