目的と効果

マンションの給水方式には、主に4つの方法があります。給水方式の変更を伴う改修をおこなうかどうかを検討するためには、それぞれの特徴を把握しておく必要があります。

工法・仕様

マンションの代表的な給水方式

①高架水槽方式

地上に設置された受水槽に水を溜め、揚水ポンプにより高架水槽にくみ上げます。その後、高架水槽から重力により給水をおこなう方法です。 マンション建設当初から多く採用されている給水方式です。

②加圧給水方式

地上に設置された受水槽に水を溜め、加圧給水ポンプにより圧送して各戸へ給水を行う方法です。使用水量によりポンプを制御しながら供給を行います。過去には大型の圧力タンクを用いて制御を行う方法もありましたが、現在ではインバーター制御による水量調整が一般的です。
大型のマンションや団地に多く採用されている給水方式です。

③直結増圧給水方式

受水槽・高架水槽を使用せず、水道本管の給水圧力と増圧給水ポンプによる加圧(増圧)により、各住戸に水を供給する方法です。自治体により規制があり、採用には検討が必要となりますが、現在の改修工事においては、この方式へ変更することが多くなっています。

④直結給水方式

ポンプを使用せず、水道本管の圧力だけで給水を行う方式で、3階建までのマンションに採用することができます。また、マンションの散水栓系統などでも、この方式が多く採用されています。

各給水方式のメリット・デメリット

給水方式 メリット デメリット
①高架水槽方式
  • 停電時や⽔道本管断⽔時でも、⾼架⽔槽分の⽔は各⼾で利⽤可能。
  • 重⼒による給⽔のため給⽔圧⼒は⼀定。
  • ⾼架⽔槽、受⽔槽の定期の定期検査や清掃が必要なため、管理コストがかかる。
  • ⽔槽やポンプ設置⽤のスペースが必要。
②加圧給⽔⽅式
  • 緊急停電時でも受⽔槽の⽔は利⽤可能。
  • ⼤容量のポンプもある為、給⽔量が必要な⼤型。マンションや団地に向いている。
  • 受⽔槽の定期清掃やポンプのメンテナンスが必要。
  • 受⽔槽設置⽤のスペースが必要。
  • 停電時は各⼾への給⽔ができない。
③直結増圧給⽔⽅式
  • 給⽔圧⼒はほぼ⼀定
  • ⽔質汚染の可能性が低い
  • 停電時、⽔道本管の圧⼒範囲まで各⼾へ給⽔可能
  • 敷地内に⾮常⽤⽔として使⽤できる⽔槽がない。
  • ⽔道本管断⽔時と同時に断⽔してします。
④直結直圧給⽔⽅式
  • ⽔質汚染の可能性が低い。
  • ⽔槽のスペースや機器のメンテナンス費が不要。
  • ⽔道本管の給⽔圧⼒に影響を受ける。
  • 基本的には3階建てまでの建物に採⽤。