目的と効果
建物の外壁は建築後10年以上過ぎると、改修・補修工事が必要となります。
ひび割れや欠損といった外壁の劣化が進行している可能性があるためです。
こうした劣化部分を補修するための様々な下地補修の工法をご紹介します。
A. ひび割れ部の改修工法
①シール工法
コンクリートやモルタルなどのひび割れを硬質エポキシ樹脂や可とう性エポキシ樹脂などでシールする工法。
ポイント
- ひび割れ幅が0.2㎜以内の部位に適応。
②Uカットシール材充てん工法
コンクリートやモルタルなどのひび割れをダイヤモンドカッターなどでU 字型にカッティングし、可とう性エポキシ樹脂や弾性シーリング材を充てんする工法。
ポイント
- ひび割れ幅が0.2㎜以上の部位に適応。
- 幅0.2㎜~1.0㎜の挙動するひび割れ及び幅1.0㎜以上の挙動しないひび割れ部には可とう性
エポキシ樹脂を、幅1.0㎜以上かつ挙動するひび割れ部には弾性シーリング材を充填。 - 防水性能に優れ、ひび割れの動きに追従する。
③自動式低圧樹脂注入工法
低圧、低速でひび割れにエポキシ樹脂を注入する工法。
ポイント
- ひび割れ幅が0.2㎜以上の部位に適応。
- ひび割れを塞ぐことにより、躯体内部に劣化因子が侵入するのを防ぐ。
- 柱・梁・スラブ・基礎等、構造的強度の復元を要求される部位においては、ひび割れ幅の如何に係らず、本工法を適用することが望ましい。
B. 欠損部の改修工法
鉄筋の発錆などによって、コンクリートがひび割れたり、欠落しそうな部分は、建物の構造上の欠陥となる場合があり、危険度も高くなります。そのような欠損部・鉄筋爆裂部については、劣化部分をはつり落とし、鉄筋を防錆処理した後、樹脂モルタル(エポキシ樹脂系・ポリマーセメント系)で補修します。
ポイント
- 鉄筋の発錆によってコンクリートがひび割れ、欠落する部分は危険度も高い。このような部位には防錆プライマーを塗布した後に、樹脂モルタルで埋め戻し成形する。
- 腐食鉄筋が暴露している場合には、錆を十分に除去する。
- 脆弱な部分も併せてはつり落とす。