目的と効果
バルコニーは上階の床面であり、かつ階下の軒天となり、漏水が発生しないように防水工事が必要です。
必要性能として使用時の防滑性や防水性、雨水滞留がない事、汚れにくい形状や掃除のし易さが求められます。似たものにベランダがありますが、これは屋根がない外部床になります。
工事の際は基本的に外部仮設足場からの出入りが必要となります。
工法・仕様
側溝・巾木
ウレタン塗膜防水により防水層が形成され防水性が保たれています。
床面
長尺塩ビシートが貼り付けられており、防滑性や意匠性が求められます。
概要図
※誇張した図であり、実際のサイズや厚みは異なります。
階下への漏水を防ぐため防水性と歩行時の防滑性が求められます。
新築時にウレタン塗膜防水層や長尺塩ビシートが施工されているか確認が必要です。
施工されていない場合、新規に施工が必要です。
施工されていても経年による劣化が進んでいる場合、機能維持のため改修工事が必要となります。
ポイント
工法選定にあたり、現状の施工状況(ウレタン防水層の有無・長尺塩ビシートの有無)を把握、それぞれの劣化度や既存の施工状況を確認し、改修工事の必要性を判断します。
側溝・巾木に防水層の有無にかかわらず、ウレタン塗膜防水を施工、積層します。
長尺塩ビシートは重ね貼りは不可能であり、貼り替えが基本となる為、既存シートは全面撤去となります。
シート下にウレタン塗膜防水層を有する場合、あわせてウレタン塗膜防水施工を検討します。
雨水滞留箇所補修については、シート貼付け前に実施する事が望ましく、貼り付け後補修は困難です。
既存状態・劣化写真
新しい性能を付与できます
今まで長尺塩ビシートに求められていた性能は主に意匠性や防滑性でしたが、最近では歩行時の靴音低減の為に遮音性を高めた製品、清掃時に砂やほこりが履き出し易い製品、高齢者歩行を想定した低深度エンボスによる歩行性を重視した製品、表面に高反射機能を有し優れた遮熱効果がある製品等、機能付与可能な製品があります。
例:対象となる部位の例と作業工程
バルコニーは共有部分ですが、この場所への出入りは専有部分を通ることになる為、必然的にほぼ居住者のみとなります。使用者における清掃の推奨や設置物の管理、避難経路の確保等、不具合なきよう使用者への注意喚起含め、規定する必要があると考えられます。