目的と効果
給水管の工事をいつ、どのように行えばよいかを検討したり、工事計画を立てる上で、給水管の調査は非常に重要な資料となります。
給水管を劣化させる主な原因は以下の通りです。
①配管内部の腐食
鋼管内面と水に含まれる塩素が反応して錆が発生します。また、異なる金属が接続される箇所には、電位差による腐食(異種金属腐食)が発生します。配管とバルブ、配管と蛇口が主な異種金属接続部分です。
これらが給水管腐食の主な原因となります。
②外部環境による腐食
鋼管の外面の腐食であり、屋外に設置されている配管や埋設部分で多く見受けられます。ほとんどの腐食進行は、配管自体に外面の腐食対策が行われていない場合や、多湿の環境や塩害等によるものです。
工法・仕様 (給水管劣化調査の概要)
給水管には様々な調査方法があります。ここでは、1次から3次の段階別に一般的な調査方法を紹介いたします。
①1次調査(目視確認・データの収集)
建物管理者・居住者からの聞き取りを行って現状を確認し、設備の異常の有無を目視により点検・判定します。また、配管設備の状況・経路・使用材料等を目視確認します。
これらと併せて、過去の改修履歴及び故障経歴、既存図面等のデータを収集し、現地で使用されている材料や配管経路等と相違が無いかを詳細に確認します。
②2次調査(内視鏡調査・X線調査)
配管内面の劣化状況を把握するために、非破壊検査機器による劣化診断を行います。
調査方法は、蛇口を外して内視鏡やCCDカメラで配管内面の撮影を行うことが一般的で、錆やぬめりの付着状況を容易に確認することができます。
内面の配管と蛇口との接続部、継手部分を中心に調査を行い、錆等による配管内の閉塞状況を観察します。
③ 3次調査(管抜取調査・サンプリング調査)
給水管を実際に切断し、抜取調査を行います。配管内面の錆の状況を調べた後、酸洗いを行って錆を除去することにより、ねじ部の欠損状況等、具体的な劣化の状況を把握することができます。
主に量水器(水道メーター)廻りの専有部配管や、共用部分の大口径の配管等を切断して調査します。