目的と効果
防水層の改修工事を計画・実施する為には、既存防水層の劣化状況、過去の漏水発生・防水層補修経緯の確認、防水納まり不適切箇所の確認等が必要です。
新規防水層を長期にわたり防水性能を維持させるために、最適な工法と仕様を選択できる情報を収集し反映させる事が必要となります。
工法・仕様
屋上でどんな種類か確認しましょう。
既存防水層の種類(例)
診断方法
一次診断
現時点での屋根直下箇所での漏水の有無を確認します。
漏水を伴う補修工事経緯の確認と、漏水を伴わない補修工事経緯を確認します。
二次診断
目視・指触・打検による非破壊検査診断を実施します。
外観の状況(ひび割れ・退色・ふくれ・しわ)を確認し、発生範囲や程度を確認します。
端末シーリング材の劣化、固定金物類の不具合の有無を確認します。
三次診断
当該箇所より防水層や断熱材をサンプリングし、検証評価できる試験施設にて機械的強度や初期性能との比較、下地との接着力や固定力を実地計測し、一次二次診断にて得られた内容とも検討し、診断評価を行います。
一般的には二次診断までで概ね判定評価が可能であるが、既存防水層に重大な機能低下や大規模な漏水による断熱性能の低下等懸念がある場合は、改修後の必要性能を確認する為に分析評価をする場合もあります。
ただしその評価には通常6か月以上の時間と、試験体あたり20万円以上の費用がかかります。
診断評価する者についても、全ての防水材料とそれらの劣化状況を認識し改修工法・仕様の提案が出来る者か、偏りが無く適切に評価しているかが判断基準となります。
ポイント
新築時から初回の改修工事なのか、2回目以降の改修工事なのか、過去の工事経緯確認が必要です。
新規防水層を施工するにあたり、既存防水層が下地として使用できるかの判定が必要であり、撤去工法・かぶせ工法のいずれかを選択し、そして防水改修仕様が決定されます。
工法選定や仕様選定は、幅広い知見と施工実績を持つ専門家へ相談するべきと考えられます。
現状の確認・劣化写真
設計図書を確認しましょう
防水層を直接確認しましょう
こんな状況があったら要注意!
調査報告書を確認します
調査報告書の内容をチェックしましょう。
建物の概要 | 建物名称、築年数、構造、世帯数、棟数等 |
調査の概要 | 診断レベル、調査方法、調査個所等 |
診断結果報告 | 調査個所別の診断結果、現況報告、劣化事象報告 漏水の有無、過去の改修工事経緯等 |
改修工法選定 | 既存防水層を撤去するのか、かぶせ工法が可能なのか判定 |
改修仕様選定 | 新規防水仕様を提案 |
付加価値提案 | 新規防水仕様を施工する際に付加可能な性能を提案 (断熱性能付与、遮熱性能付与、次期改修容易性付与等) |