目的と効果

手摺や扉などに下地処理や塗装を施すことにより、錆の発生や腐食を防止することが目的です。
これにより、鋼製部材の耐久性や安全性などが確保されます。
適切な材料を使用、ていねいな作業をすれば、錆を防ぐ能力がより長持ちします。

工法・仕様

素地調整 劣化して浮いた塗膜や錆は除去し、健全な塗膜は食いつきがよくなるように目荒しをして、全体を清掃します。
塗装 その上に塗装を施します。一般的には、下塗り、上塗り2回の3回塗りとします。
下塗りは、防錆効果と付着性の高いエポキシ系錆止め塗料が一般的に用いられます。 上塗りは、一般部分はウレタン樹脂系、特に耐候性が必要な部分はシリコン樹脂系やフッ素樹脂系の塗料がよく使われます。 最近は、汚れが付きにくく、落ちやすい「低汚染型」の上塗り用塗料の採用が増えてきました。
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ポイント

下地の処理と塗装の厚みの確保が重要です。
塗膜は水や酸素が鋼材表面に透過するのを抑えるバリアの役割を持ちます。したがって、塗膜の厚みは非常に大事な要素です。
劣化した塗膜を剥がした部分は、角が立っていて厚く塗装を付けることができません。必ず、サンドペーパーなどでなめらかにします。
上塗りの1回目と2回目は、通常、同じ種類の塗装が用いられますが、色を変えると、塗り忘れの防止になります。

劣化写真

塗装仕上げの鋼材の劣化は、進行に応じて主に3つの段階があります。軽微な方から、「塗膜表面の劣化」、「塗膜内部の劣化」、「素地(鋼材)の劣化」です。
劣化が著しく進行すると、鋼材の強度が低下して、ぐらつきを生じたり、折損することもあります。
劣化が比較的軽微なうちに塗替えすることが肝心です。

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塗膜表面の劣化(白亜化・チョーキング)
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塗膜表面の劣化(変退色)
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塗膜内部の劣化(割れ)
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塗膜内部の劣化(はがれ)
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鋼材の劣化(錆・錆による周囲汚染)
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鋼材の劣化(穴あき)

対象となる部位の例と作業工程

鋼製扉

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素地調整
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下塗り(錆止め塗装)
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上塗り(1回目)
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上塗り(2回目)

高架水槽の架台

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素地調整
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下塗り(錆止め塗装)
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上塗り(1回目)
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上塗り(2回目)